JAL羽田~妊婦のハイレベルケア連携研修2025
2025年11月19日、JAL羽田空港事業所にて、**JAL×北海道大学病院 連携研修「妊婦のハイレベルケア」**を実施しました。参加者は客室乗務職24名、30代が63%、40代が33%。2024年のJAL千歳「異業種交流座談会」から一年をかけて、正式な連携研修プログラムとして立ち上げ直した回です。翌2025年11月20日、JALと北海道大学からプレスリリースとして発表されました。
「昨日までの自分とは180度変わる」
研修後アンケートで最も胸を打たれたのは、17年のキャリアを持つ客室乗務員が書いてくれた一枚でした。
「17年前、初めて新人訓練でマニュアルに分娩についての記載を拝見した際に衝撃を受けたことを今でも覚えています。出産に立ち会ったこともないのに、本当に対応ができるのかという不安がずっとありました。講義を本日受けたことで、昨日までの自分とは180度変わり、率先して赤ちゃんとお母さんのために行動することができると感じています」(女・40代)
17年間ずっと心のなかに残っていた**「本当に対応できるのか」という不安**が、この数時間の研修で解ける。分娩シミュレータと妊婦ケアの具体手技を、医療現場の言葉で、プロの同業者として受け取ってもらえたという実感が、この一枚に凝縮されていました。
具体的なテクニックが身についた
アンケートで複数の参加者が書いていたのは、機内で明日から使える手技が手に入ったという満足感でした。
「仙骨を温める、出血の有無の確認、月ではなく週で尋ねる、横臥の際はクッションを当てる──すぐに実践できる具体的なテクニックを学ぶことができました」(女・30代)
「『お腹を打たないことが一番』という言葉が響き、自分のこれまでの行為が間違っていなかったことを知り、自信を持って今後の対応も行えると感じました」(女・30代)
航空会社のマニュアルに書かれた一般論ではなく、**「妊娠週数で尋ねる」「仙骨を温める」**という粒度の細かな実務手技が、産科医の口から出てくる。その粒度こそが、10年以上キャリアを積んだプロの客室乗務員に届く情報の単位でした。
「北大で産みたい」という同僚が出ている
研修の波及効果を思わせる感想もありました。
「自分が出産の時は北海道大学で産みたい!と言っている同僚が多数います」(女・30代)
連携研修が、参加者個人の知識更新にとどまらず、CAコミュニティ内での口コミへ広がっていく。医療者と接点の少ない職業集団に対して、この連鎖は講義の到達点として想定以上のものでした。
平均評価4.8/5
研修項目(低血圧/脳貧血、妊婦の腹痛、点滴補助、緊急時の分娩介助)の5段階評価は、全プログラムで平均4.8/5。24名中の大半が全項目に「5」を付ける結果となりました。
高校向け出張講義とは違い、客室乗務職のように職業上すでに妊婦対応の責任を一部負っている層にとって、このテーマは「先の話」ではなく「今日から必要な実務知識」です。評価の高さは、テーマ選定と参加者のニーズが合致していたことを裏付けていました。
JAL千歳2024から、正式な連携研修へ
2024年12月のJAL新千歳は「異業種交流座談会」という位置づけで、命を守る仕事どうしの共通点を語り合う場として設計されていました。そこから一年。2025年11月のJAL羽田は、「妊婦のハイレベルケア」という研修名を掲げた正式な連携プログラムとして立ち上がりました。
プレコンセプションケア(妊娠前の健康づくり)をテーマにした出張講義の射程が、妊婦機内対応という実務連携の領域にまで広がったのが、このJAL羽田2025の意義です。高校への出張講義から始まった活動の筋が、企業研修、そして業種間の正式連携へと枝分かれしていった一つの到達点として、この日のアンケートは残されました。